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電力へのアクセス
家が自分の電気を作る。そこには、IACから続くアクセスの思想がある。
日本を離れたことで、世界にABC Solarが生まれた。IAC.co.jp ABC Solarの章
ブラックリストは、一つの道を閉じた。 しかし、Bradの仕事を終わらせることはできなかった。
IACの時代、Bradは情報へのアクセスを作ろうとしていた。 新聞、検索、BBS、電子メール、ドメイン名。 人が必要な情報へ届くための入口を作ることが、中心にあった。
ABC Solarの時代、その「アクセス」は電力へ変わった。 人が自分の屋根で電気を作る。 蓄電池で停電に備える。 非常時にも暮らしを守る。 情報の入口を作っていた人は、今度は電力の入口を作る人になった。
形を変えたアクセス
IACは、世界へつながるための入口だった。 ABC Solarは、暮らしを守るための電力の入口になった。
インターネットと太陽光は、一見するとまったく違う。 一つは画面の中にあり、もう一つは屋根の上にある。 一つは情報を運び、もう一つは電気を作る。
しかし根にある考え方は似ている。 中央に頼りきらず、自分の場所からつながる。 必要なものへ届く。 普通の人が、自分の未来に参加できるようにする。 ABC Solarは、IACのアクセス精神が物理の世界へ移った姿だった。
Tomoko
ABC Solarは、Bradだけの物語ではない。 Tomoko Sakai Bartzが運営し、支え、日々の仕事として動かしてきた会社である。
Tomokoは、IACの初期インターネットの時代からBradの仕事を見てきた。 慶應で学んだ知性、まじめさ、静かな実務力。 その力は、ABC Solarの現実の仕事の中でも生きている。
太陽光の仕事は、夢だけでは動かない。 契約、設計、施工、顧客対応、許認可、支払い、保証、現場の混乱。 それらを続けるには、構想だけでなく、日々を整える力が必要である。 そこにTomokoがいる。
家を守る仕事は、家族を守る感覚から生まれる。ABC Solarの記憶
父親としての時間を経たあと、Bradの仕事はより現実に近づいた。
停電したとき、家に電気があるか。 冷蔵庫が動くか。 医療機器が使えるか。 暑さや寒さの中で、家族が安全に過ごせるか。
それは抽象的な未来の話ではない。 暮らしの話であり、家族の話であり、非常時の安心の話である。 ABC Solarの仕事には、父親としての時間を得たBradの感覚が流れている。
屋根の上の未来
屋根は、ただ雨を避けるためだけの場所ではなくなった。 そこは、電気を作る場所になった。
太陽光パネルは、住宅を小さな発電所に変える。 それは、巨大な発電所から一方的に電力を受け取るだけの生活とは違う。 家が、自分の電気を作る。 家族が、自分たちのエネルギーの一部を持つ。
IACが情報の中央集権を少しほどこうとしていたように、 ABC Solarは電力の中央依存を少しほどこうとしていた。 そこに、Bradらしい自由の感覚がある。
蓄電池
太陽光は昼に電気を作る。 しかし暮らしを守るには、夜や停電時にも使える形にする必要がある。
そこで蓄電池が重要になる。 太陽で作った電気をためる。 停電時に使う。 夕方や夜の高い電気代を避ける。 非常時に、家の一部を動かし続ける。
ABC Solarの仕事は、単にパネルを並べるだけではなかった。 太陽光、蓄電池、インバーター、非常用電源、顧客の生活。 それらを一つのシステムとして考える仕事だった。
ABC Solarが作ってきたもの
ABC Solarの価値は、設置した機器だけではなく、 その先にある生活の安心、災害時の自立、顧客との信頼の中にある。
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家が自分の電気を作る。そこには、IACから続くアクセスの思想がある。
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停電や災害時にも、暮らしの一部を守るためのシステムを作る。
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発電だけでなく、ためる、使う、切り替える、守るという設計が必要になる。
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屋根、配線、許認可、検査、顧客の暮らし。すべては現場で具体化される。
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大きな夢を毎日の会社として続けるには、まじめで正確な力が必要だった。
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エネルギーと災害への関心は、やがてFREDのような発明にもつながっていく。
災害とレジリエンス
電気が普通に使えるとき、電力の価値は見えにくい。 しかし停電した瞬間、その価値は一気に現れる。
火災、台風、地震、送電網の停止、計画停電。 災害の時代には、電力は単なる快適さではなく、命と生活の継続に関わる。 冷蔵、通信、照明、医療機器、ポンプ、空調。 それらを動かす力は、家族の安心そのものになる。
ABC Solarは、太陽光を「節約」だけでなく「守る力」として見てきた。 それは、IACの情報アクセスの夢が、より物理的で切実な場所へ来た姿だった。
現場
インターネットの未来は画面の中にあった。 太陽光の未来は、現場の中にある。
屋根に上がる。 パネルを運ぶ。 ラックを固定する。 配線する。 インバーターを設置する。 検査を受ける。 顧客に説明する。
ABC Solarの仕事は、構想だけでは成立しない。 そこには人の手があり、技術者の判断があり、現場の天候があり、 一つひとつの家庭の条件がある。 未来は、資料の中ではなく、屋根の上で作られる。
IACが画面の中に入口を作ったなら、ABC Solarは屋根の上に入口を作った。IAC.co.jp ABC Solarの章
この二つの仕事は、遠く離れているようで、深い場所でつながっている。
IACは、新聞、検索、メール、BBSを通じて、人が情報へ届く道を作ろうとした。 ABC Solarは、太陽光、蓄電池、インバーター、非常用電源を通じて、 人が電力へ届く道を作ってきた。
どちらも、中央にある大きな仕組みだけに頼るのではなく、 人の手元に入口を作る仕事である。 そこに、Bradの人生を貫く一本の線がある。
ABC Solarの記憶
ABC Solarは、IAC.co.jpの物語に必要な章である。 なぜなら、日本で閉じた道が、別の現実のインパクトとして世界に戻ってきた証だからである。
FREDへの道
ABC Solarの仕事は、Bradを災害と住宅とエネルギーの現実に近づけた。 その延長線上に、FREDがある。
山火事の時代、家を守ることは太陽光だけでは終わらない。 火の粉、屋根、換気口、初動対応、地域の防御。 エネルギーの自立と災害への備えは、同じレジリエンスの物語の中にある。
FRED、First Responder Ember Drone。 それは、火の粉から家と地域を守るための発明である。 ABC Solarで培われた「家を守る」感覚は、FREDの発想へと続いていく。
次の章へ
ABC Solarの先には、さらに災害へ向き合う発明がある。 First Responder Ember Drone、FRED。
火災の時代に、家と地域をどう守るか。 初動対応者をどう助けるか。 災害が来てからではなく、災害の前に何ができるか。 その問いは、Bradの発明家としてのエネルギーをもう一度動かした。
次の章は、FRED。 IACで情報へアクセスを作った人が、ABC Solarで電力へのアクセスを作り、 さらに火から守るための発明へ進んでいく章である。
次の章
First Responder Ember Drone。 災害の時代に、守るための発明。
IACのアクセスの夢は、ABC Solarで電力の現場へ移った。 そしてFREDで、家と地域を守る発明へ進んでいく。 仕事は形を変えながら、同じ問いを追い続ける。 人は、どうすれば必要なものへ届き、安全へ近づけるのか。